ASIC 350nmプロセス
350nm(0.35µm)を指定してASICを検討するなら、まず「350nmのどのプロセスか」を確認します。5Vインターフェース向けゲートアレイ、アナログ・デジタル混載、高耐圧素子を持つプロセスは、同じノード名でもそのまま代替できません。
350nmの適否は、ノード名だけでは決まりません。最初に必要な入出力電圧、耐圧、アナログ機能、デジタル規模を整理し、対応する素子・設計資産・量産条件を候補プロセスごとに確認します。
公開されている仕様を比べると、同じ0.35µmでも狙う回路が異なります。次の数値や機能は、それぞれの製品・プロセスに限った情報です。
| 公開例 | 掲載されている仕様 | 選定時の読み方 |
|---|---|---|
| セイコーエプソン「S1L50000」 | 5Vインターフェース対応の0.35µm CMOSゲートアレイ。掲載ステータスはMP | 既存基板の5V系と論理回路の置き換えを検討する入口。5V単一電源対応の「S1L5V000」とは別系列 |
| ams OSRAM「C35」「H35」 | C35はデジタル・ミックスドシグナルCMOS。H35は最大120Vの動作条件を対象とする高耐圧CMOS | 混載回路と高耐圧回路では、同じメーカー内でも候補プロセスが分かれる |
| onsemi「I3T80」 | 3.3Vのデジタル・アナログ動作と、最大80Vの高耐圧素子を持つ0.35µmプロセス | 高耐圧素子の定格を、ロジック全体の電源電圧と混同しない |
参照:セイコーエプソン「ゲートアレイ」、ams OSRAM「Technology portfolio」、onsemi「I3T80」
350nmを候補にする理由が既存の5Vインターフェースなら、周辺回路を変更できるかが判断の境目です。セイコーエプソンの公開仕様では、0.35µmの「S1L50000」が5Vインターフェースに対応します。一方、0.25µmの「S1L60000」に記載されたI/OレベルはCMOS、LVTTL、PCI-3.3Vです。
これは両シリーズの仕様比較です。350nm全般が250nmより高い電圧を扱えるという意味ではありません。また、5Vインターフェース対応を5V単一電源対応と混同せず、電源構成もシリーズ単位で確認します。
高耐圧が必要な案件では、ロジックの動作電圧とは分けて、必要な端子電圧、素子の種類、保護回路、アナログ性能を確認します。デジタル回路の規模や速度が選定を左右するなら、350nmに固執せず、250nm・180nmも同じ要求仕様で比較してください。設計用ライブラリや対応ツールもシリーズごとに異なります。
ノードだけを指定した見積もりでは、候補ごとの前提がそろいません。変更できない電圧・端子・性能と、代替を許容できる条件を分けて提示します。
研究用途の350nm ASIC事例が検索結果にあっても、350nmで製造すれば耐放射線性が得られるわけではありません。ESAが公開する350nm SiGe BiCMOSのASIC事例では、耐放射線を考慮した設計を適用し、TID・SEL試験で確認しています。
特殊環境向けの開発では、採用ノードに加えて、適用した設計手法と試験条件まで確認します。
参照:ESA掲載「Radiation-Hardening-By-Design for the Warm Front-End Electronics」
350nmを必須条件とするのか、5V互換や高耐圧といった要求を満たすための仮説なのかを分けて伝えます。候補会社には、次の条件を同じ書式で共有してください。
採用できるプロセス、利用可能な素子・IP、設計・試作・量産の対応範囲を回答してもらえば、350nmを維持すべきか、別ノードも候補になるかを比較できます。
用途に特化した高性能な半導体を実現するための要であるASICは、メーカーによって得意とする領域や対応の柔軟性、設計支援体制に大きな差があります。
ここではASICの導入や開発を検討している企業担当者に向けて、信頼できるASICメーカー3社を厳選。それぞれの特徴や得意分野をわかりやすく紹介します。
500nm/350nm/250nm/180nm
OA機器/産業機器/住宅関連機器/車載/EOL相当品開発

90nm/65nm/55nm/40nm/28nm/16nm/12nm/7nm/5nm
TV/LPWA/衛星通信/スマートセンサー

TSMC:28nm/16nm FFC/5nm/7nm(計画中)
GF:22nm FDSOI/12nm(計画中)
PON向け高速シリアルインターフェース(SerDes)
※1参照元:ジェピコ・セミコンダクター公式HP(https://www.jepico-semiconductor.co.jp/)
※2参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/02214/)
※3参照元:メガチップス公式HP(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)
※4参照元:メガチップス(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)