250nm ASICの設計・発注

ASIC 250nmプロセス

ASICの250nmプロセスを
選ぶ前に確認したいこと

250nm(0.25µm)のASICを検討するとき、ノード名だけでは発注先も回路の成立性も決められません。必要な素子・電圧・設計資産を候補プロセスで使えるか、既存品を置き換えるなら何を互換とするか、量産まで引き受けられるかを確認します。

先に確認するのは、ノード名より回路と供給の条件

  1. 必要な素子・電圧条件を、その250nmプロセスで満たせるか
  2. PDKとIPが設計内容に対応し、検証に使えるか
  3. 既存品の互換条件と、試作から量産までの対応範囲が明確か

「250nm対応」は検討の入口です。同じノードでもプロセスの構成は異なるため、要求仕様をもとに候補を絞ります。

同じ250nmでも、使える素子と電圧が違う

onsemiが公開する二つの0.25µmプロセスは、ノード名だけでは回路の適合性を判断できない例です。

プロセス 公開されている構成 確認すべき点
ONC25 2.5V・3.3V・5Vのトランジスタ、MIMコンデンサなど 必要な電源・入出力条件と、アナログ回路に使う素子が合うか
ONBCD25 高耐圧素子を含む別の構成 電源・駆動回路に必要な耐圧と素子があるか

250nmという数字は共通でも、設計できる回路の範囲は同じではありません。これらは仕様差を示す例であり、後述する国内メーカーが採用しているプロセスを示したものではありません。

センサーなどの微小信号を扱うなら、必要な抵抗・容量素子に加え、雑音、オフセット、直線性、温度変化を設計モデルと試作評価で詰める必要があります。電源や駆動回路を集積するなら、ロジックの電源電圧とは別に、入出力と高耐圧素子の条件を見ます。

参照:onsemi「ONC25」、onsemi「ONBCD25」

設計を始める前に、PDKとIPの対応範囲を確かめる

回路図やRTLがあっても、そのまま別の250nmプロセスへ移せるとは限りません。候補プロセスのPDKに含まれるデバイスモデル、設計ルール、ライブラリを確認し、必要なメモリや変換回路などのIPが利用できるかを設計会社と照合します。

比較は同じ要求仕様で行う

250nmと180nm・350nmを比べる際も、ノードの大小だけで優劣をつけず、同じ要求仕様で実装・検証できる範囲を比べます。特にアナログとデジタルを混載する場合は、片方の回路だけで候補を絞らないことが肝心です。

EOL置換は「同じ250nm」より互換範囲を定める

既存ASICのEOL対応では、ピン配置、基板を変更できるか、パッケージ、維持したい基本性能を先に決めます。

再生

ピン・ハードウェアの互換性を重視する方法です。既存の基板や周辺回路を変更できない場合、何を維持する必要があるかを具体化します。

再開発

基本性能を保ちながら作り直す方法です。変更を許容できる範囲と、維持したい性能を分けて伝えます。

アナログ機能を含む場合は、ピン互換だけで同じ動作になるとは限りません。電源・入出力条件と必要な電気的特性をデータシートで比べ、外付け部品を含めて実機で確かめる範囲を決めます。元の回路図や評価結果も、比較条件をそろえる材料になります。

「250nm対応」の公開情報を、発注条件と切り分ける

250nmのラインアップが現在も公開されている例として、セイコーエプソンの公式サイトには0.25µmのゲートアレイ「S1L60000」とエンベデッドアレイ「S1X60000」が掲載されています。

ASIC開発ナビの「目的別ASICメーカー3選」では、ジェピコ・セミコンダクターに250nm対応の記載があります。これはサイト上の掲載情報です。現行の対応プロセス、希望する回路方式、試作・量産条件は直接確認してください。同社のFAQでは、試作のみの依頼は受けず、量産を前提とすると説明されています。

参照:セイコーエプソン「ゲートアレイ」、セイコーエプソン「エンベデッドアレイ」、ASIC開発ナビ、ジェピコ・セミコンダクター「FAQ」

見積もり依頼では、ノード名より要求仕様をそろえる

比較先へは、次の条件を同じ書式で渡します。「250nm指定」は必須条件なのか、代替プロセスも許容するのかも明記しましょう。

  • 必要なアナログ性能と評価条件
  • 入出力電圧・耐圧条件
  • デジタル回路の規模と流用したいIP
  • 既存品との互換条件
  • 試作・量産の予定数量
  • 希望する量産時期

条件をそろえれば、対応可否だけでなく、仕様変更が必要な箇所も比較できます。費用と期間は、仕様、チップサイズ、数量、設計・評価工数で変わります。単価だけを並べず、設計・試作・評価・量産で各社が担う範囲を確認してください。

目的別
ASICメーカー3選

用途に特化した高性能な半導体を実現するための要であるASICは、メーカーによって得意とする領域や対応の柔軟性、設計支援体制に大きな差があります。

ここではASICの導入や開発を検討している企業担当者に向けて、信頼できるASICメーカー3社を厳選。それぞれの特徴や得意分野をわかりやすく紹介します。

汎用アナログ信号
への対応力なら
ジェピコ・セミコンダクター
ジェピコ・セミコンダクター公式HP
引用元:ジェピコ・セミコンダクター公式HP
https://www.jepico-semiconductor.co.jp/
対応可能なプロセスノード

500nm/350nm/250nm/180nm

ASIC開発実績

OA機器/産業機器/住宅関連機器/車載/EOL相当品開発

など
おすすめの理由
  • 信号処理で多数の開発実績あり※1。無電源環境下で動作する低電力のミックスドシグナルIC等、難易度の高い仕様も、自社製品に合わせて実現しやすい
  • ファブレスメーカーとして、ウェハ製造~IC量産出荷まで一貫した品質保証が可能。デリバリ面でも安定した供給体制を構築している。
画像やAI処理などの
先端SoCへの対応力なら
ソシオネクスト
ソシオネクスト公式HP
引用元:ソシオネクスト公式HP
https://www.socionext.com/jp/
対応可能なプロセスノード

90nm/65nm/55nm/40nm/28nm/16nm/12nm/7nm/5nm

ASIC開発実績

TV/LPWA/衛星通信/スマートセンサー

など
おすすめの理由
  • RF通信向けソリューションの実績あり。低消費電力RF設計技術を活かし、カスタムSoCの省電力化を提案。
  • AI処理に対応したSoCを設計。Google Quantum AIと量子制御チップを共同開発※2するなど、先端領域への技術展開を強化。
光通信ネットワーク
への対応力なら
メガチップス
メガチップス公式HP
引用元:メガチップス公式HP
https://www.megachips.co.jp/product/asics/
対応可能なプロセスノード

TSMC:28nm/16nm FFC/5nm/7nm(計画中)
GF:22nm FDSOI/12nm(計画中)

ASIC開発実績

PON向け高速シリアルインターフェース(SerDes)

など
おすすめの理由
  • PON向けバーストモードCDR/SerDes技術で15年以上の開発実績※3(2025年8月調査時点)を有し、上り信号を安定化
  • 5G RU FPGAからASICへの変換により、システム性能を損なうことなく消費電力を最大55%削減※4し、低コスト化を実現

※1参照元:ジェピコ・セミコンダクター公式HP(https://www.jepico-semiconductor.co.jp/)
※2参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/02214/)
※3参照元:メガチップス公式HP(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)
※4参照元:メガチップス(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)

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