YITOAマイクロテクノロジーは、光センサやアナログ半導体を中心に、顧客の要望に合わせたカスタムICを受託開発している半導体メーカーです。自社FABを生かした「アナログICターンキーサービス」を展開しています。ASICの開発先として検討する場合は、希望する回路や機能が同社のカスタムIC受託開発に該当するか、個別の確認が必要です。この記事では、カスタムICの特徴や対応領域、開発事例、量産実績などを紹介します。

YITOAマイクロテクノロジーは、1977年から40年以上にわたり、オーディオ・ビデオ分野を中心としたアナログ半導体を開発してきました。
レーザーディスク以降、CD・DVD・BDのピックアップに使われるフォトICを200品種以上開発。その他のアナログICを含めると、開発実績は300品種にのぼります。その多くは、民生機器・産業機器・車載関連の顧客要望をエンジニアが具現化したカスタムICです。
同社が強みとして挙げているのは、受光IC、アナログIC、ミックスドシグナルIC、アルゴリズムの開発力です。フォトダイオードを内蔵したセンサICのほか、アナログ回路とデジタル回路を組み合わせたカスタムICも開発しています。
顧客がディスクリート部品で構成していた回路や、顧客独自のアルゴリズムをICへ取り込んだ事例もあります。複数の回路や機能を1チップへ集積し、部品点数を削減した開発例が公開されています。
カスタムIC受託開発については、公式サイトで「アナログICターンキーサービス」と明記されています。顧客の要望を同社のエンジニアが具現化し、自社FABで生産することを強みとしています。
また、会社全体の生産体制として、山梨県甲府市の本社工場で企画から開発、量産、販売までを一貫して行っています。社内にはFABプロセス開発、回路設計、メカ設計などを担当するエンジニアが在籍しています。
ただし、会社全体の一貫体制が、すべてのカスタムIC案件で同じ範囲まで提供されるとは明記されていません。個別案件の受託範囲は確認が必要です。
Si Foundryでは、フォトダイオードを全プロセスに搭載でき、青色波長域から赤外波長域まで、目的の波長に合わせた最適化に対応しています。
視感度特性フォトダイオード、カラーフィルタ付きフォトダイオード、ノイズシールド機能付きフォトダイオードなどが開発例です。トリミング素子にはEPROMやポリSiヒューズを用意しており、プロセスに応じて選択できます。
Si Foundryでは、少数枚のウェハロットを流動できる体制を整えています。5インチレチクルを主体とすることで、開発費の低減にもつなげています。
プロセス途中でウェハを保管し、評価結果を後工程へ反映する方法や、プロセス条件を変えて特性変動を確認する方法にも対応。ウェハテストも受託しています。
少数枚での対応は、ウェハ工程に関する公式情報です。完成品ICの最低発注数量や、少量量産への対応条件は公式サイトに記載がありませんでした。
既存プロセスに加え、顧客の要望に応じたプロセス開発にも対応しています。使用中の半導体製品がEOLを迎えた場合の相談も受け付けています。
ただし、EOL製品の代替設計や同等品開発を保証する記載はありません。具体的な対応範囲は、対象製品の回路や仕様、使用プロセスなどを提示して確認する必要があります。
用途については、民生機器、産業機器、車載関連に対応しています。
なお、公式サイトでは「ASIC」という名称ではなく、顧客の要望に合わせて開発する専用ICを「カスタムIC」と表記しています。ASICの相談先として検討する場合は、希望する回路や機能が同社の対応領域に含まれるか、個別に確認する必要があります。
顧客がディスクリート部品で製品化していた回路をIC化した事例です。従来製品の特性を維持しながら、部品点数の削減と低価格化を図っています。
フォトダイオード、I-V変換回路、DC・ACゲイン調整、I2C、Power Onリセット、クロック発生器などを内蔵。製品化に必要な評価環境についても協力しています。
顧客が保有するアルゴリズムをIC化した事例です。デジタル回路はYITOAマイクロテクノロジーが設計・実装し、顧客から指定された特性に合わせて開発しています。
フォトダイオード、I-V変換回路、アンプ調整、LEDタイミング出力、Power Onリセット、クロック発生器などを内蔵。顧客のアルゴリズムを使い、検出結果から信号を出力する構成です。
LCD用のビデオコントロール信号出力と、タイミングコントロール信号出力を1チップに集積したカスタムICです。
mini-LVDS信号入力に対応し、パネル基準電圧の設定機能、LCD駆動用タイミング信号の生成、レベルシフト機能を内蔵。SIF、I2C、SPIなどのインターフェイスにも対応しています。
外付けLEDを駆動し、LEDの電流を制御する光通信用ドライバICです。受信アンプと送信ドライバを内蔵し、LEDの加熱を防ぐ保護機能も備えています。
パッケージには4mm×4mmのQFN-20PINを採用。小型・薄型の底面実装型で、半田フィレットにも対応しています。
量産中の汎用アナログ電流出力型照度センサをベースに、出力電流と光源依存性をカスタマイズした事例です。パッケージとフォトダイオードの配置は汎用品と共通化し、Current AMPの一部を変更しています。
評価用として特性の異なるサンプルを提供し、顧客環境での評価結果を反映しながら調整値を決定しています。既存製品をベースに、必要な特性を変更した開発例です。
ウォッチドッグタイマーと電源監視機能をワンチップ化した、システム監視用途のICです。
外付けコンデンサによってリセット遅延時間とウォッチドッグタイマー時間を設定できるほか、ヒステリシスコンパレータを搭載。RESET端子にはNchオープンドレイン出力を採用し、2.2mm×2.2mmのPLP-8PINパッケージに収めています。
YITOAマイクロテクノロジーは、カスタムIC受託開発を「アナログICターンキーサービス」として提供しています。
公式サイトでは、顧客の要望を同社のエンジニアが具現化し、自社FAB生産の強みを生かしてサービスを提供すると説明しています。また、会社全体では、甲府市の本社工場で企画から開発、量産、販売までを一貫して行っています。
ただし、デジタルASICを含むすべてのASIC開発に対して、同じ範囲のターンキーサービスを提供するとは記載されていません。回路設計、プロセス設計、パッケージ選定、テスト開発、量産管理など、個別案件で依頼できる範囲は確認が必要です。
フォトICとアナログICの品種数は、カスタムIC受託開発ページに掲載されている開発実績です。OEICとIE-BUSドライバ・レシーバICの出荷数は、Si Foundryページに掲載されている関連ICの量産実績であり、ASICまたはカスタムICだけに限定した累計出荷数とは明記されていません。
※2026年7月27日確認時点
公式サイトには、カスタムICを導入した顧客本人による口コミや導入コメントは掲載されていませんでした。
一方、社長挨拶では、同社が顧客から受けている評価について、次のように記載しています。
自社FABの特長を生かしたプロセス開発力もお客様から好評をいただいております。
これは顧客本人による口コミではなく、YITOAマイクロテクノロジーが公式サイト上で示している評価です。
YITOAマイクロテクノロジーは、受光IC、アナログIC、ミックスドシグナルICの開発力と、自社FABによる生産体制を持つ半導体メーカーです。カスタムIC受託開発を、アナログICターンキーサービスとして提供しています。
フォトICを中心に開発実績があり、ほこりセンサ、光電センサ、LCDドライバ、光通信用ドライバICなどの具体的なカスタム事例が公開されています。Si Foundryでは、少数枚のウェハロットや顧客要望に応じたプロセス開発、EOLに関する相談にも対応しています。
公式サイトではASICという名称を使用していないため、ASICの開発先として検討する場合は、希望する回路・機能・プロセスが同社のカスタムIC受託開発に含まれるか確認が必要です。
ASICはメーカーにより得意分野が異なります。要件や目的に合ったASICメーカーを選びましょう。目的別にASICメーカーをまとめた特集ページを用意していますので、併せてご確認ください。
YITOAマイクロテクノロジーの半導体事業は、1977年に設立されたパイオニア株式会社半導体研究所を起点としています。2003年にパイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社として設立され、2020年の株主変更に伴い、現在の社名へ変更されました。
山梨県甲府市に本社と自社FABを構え、半導体およびMEMS製品の開発、生産、販売を行っています。
| 会社名 | YITOAマイクロテクノロジー株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 山梨県甲府市大里町465 |
| 設立年 | 2003年4月1日 ※半導体事業の起点となるパイオニア株式会社半導体研究所は1977年設立 |
| 資本金 | 1億円 |
| 社員数 | 228名 ※2026年4月1日時点 |
| 電話番号 | 055-241-8611 |
| 公式サイトURL | https://www.micro-technology.co.jp/ |
用途に特化した高性能な半導体を実現するための要であるASICは、メーカーによって得意とする領域や対応の柔軟性、設計支援体制に大きな差があります。
ここではASICの導入や開発を検討している企業担当者に向けて、信頼できるASICメーカー3社を厳選。それぞれの特徴や得意分野をわかりやすく紹介します。
500nm/350nm/250nm/180nm
OA機器/産業機器/住宅関連機器/車載/EOL相当品開発

90nm/65nm/55nm/40nm/28nm/16nm/12nm/7nm/5nm
TV/LPWA/衛星通信/スマートセンサー

TSMC:28nm/16nm FFC/5nm/7nm(計画中)
GF:22nm FDSOI/12nm(計画中)
PON向け高速シリアルインターフェース(SerDes)
※1参照元:ジェピコ・セミコンダクター公式HP(https://www.jepico-semiconductor.co.jp/)
※2参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/02214/)
※3参照元:メガチップス公式HP(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)
※4参照元:メガチップス(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)