ASICの開発事例

産業機器の高度化、省スペース化、そして長期供給の安定性がかつてないほど重視される中、汎用ICの組み合わせによる回路設計は大きな転換期を迎えています。

「自社専用のIC(ASIC)」は、かつては大規模なコンシューマー製品向けと思われてきました。しかし現在、アナログフロントエンドの統合やEOL(生産終了)対策を目的として、産業機器分野での導入が加速しています。

本ページでは、具体的な活クロコンピュータのASIC導用事例を軸に、アナログ回路設計者が知っておくべき導入のポイントを解説します。

【分野別】ASIC活用事例

産業機器の各分野において、ASICがどのような課題を解決しているのか、代表的な事例を紹介します。

マイクロコンピュータのASIC導入事例

マイクロコンピュータへのASIC導入による製品の差別化やコスト削減の事例を紹介しています。

OA機器でのアナログ・デジタル混在による基板小型化、ビデオカメラやゲーム機での独自処理のハードウェア化による低消費電力・高速化、静電センサーSoCによる高精度化など、具体的な活用法を解説。量産数や機能性を考慮した投資対効果の重要性と、段階的な導入ステップについても示唆しています。

自動車のASIC導入事例

自動車の電動化や自動運転の進展に伴い、高度な制御と信頼性を両立するASICの重要性が高まっています。具体的には、ADASでの膨大なデータ高速処理、パワートレインの小型・軽量化と熱対策、HMIの意匠性向上と省電力化などに貢献しています。

車載特有の厳しい品質規格や機能安全(ISO 26262)を満たし、独自のハードウェアを開発することで、システムの付加価値最大化と差別化を実現しています。

産業機器・FAのASIC導入事例

工場の機械や装置を「より小さく」「より高性能」にするためにASICが使われています。バラバラだった多くの部品を1つのチップにまとめることで、基板のスペースを節約し、故障しにくい丈夫な製品を作ることができます。

また、産業機器は10年以上長く使い続けることが多いため、汎用部品の生産終了(廃番)に振り回されず、自分たちで部品の供給をコントロールできるようになる点も大きなメリットです。

医療機器向けASIC導入事例

医療現場では、装置を「持ち運びやすく」したり、「体に負担をかけないほど小さく」したりするためにASICが欠かせません。コードのないワイヤレスな超音波診断機や、体内に植え込むデバイスなど、次世代の医療機器を実現する鍵となります。

特に体の一部として使う機器は、電池を長持ちさせ、熱を出さないことが非常に重要です。ASICなら必要な機能だけを効率よく動かせるため、安全で患者さんに優しい製品開発が可能になります。

通信向けASIC導入事例

通信分野におけるASICの導入事例を紹介するページです。コヒーレント光通信向け高性能ASICやPON向けバーストモードCDR/SerDes ASICなど具体的な開発実績を掲載。5Gや光通信の高速化・省電力化を支えるASIC化の背景と、開発検討時に押さえるべきポイントも解説しています。

センサー信号処理向けASIC導入事例

センサー系ASICの導入事例をまとめたページです。産業機器やOA機器向けのセンサー信号処理IC、CMOSイメージセンサー向けデジタルブロック設計など具体的な開発事例を紹介しています。センサー分野でASIC化が求められる背景や、開発を進める際に確認すべきポイントについても解説しています。

住宅関連機器向けASICの開発事例

給湯器や空調機器、スマートロック、インターホン、各種センサー機器など、住宅設備には多くの電子制御技術が使われています。省エネ性能や安全性、IoT連携、小型化が求められるなかで、汎用ICやディスクリート部品だけでは設計上の制約が生じるケースもあります。

住宅関連機器向けASICは、センサー信号処理や電源管理、モーター制御、通信インターフェースなどを1チップに集約しやすく、基板の小型化や部品点数削減、低消費電力化に貢献します。住宅設備でASIC化を検討するタイミングや、開発時に確認したいポイントもあわせて解説しています。

エッジ機器向けASIC導入事例

エッジ機器へのASIC導入による小型化・低消費電力化・リアルタイム処理の事例を紹介しています。

エッジAI機器での推論処理の専用回路化、センサー信号処理回路の1チップ化、産業用IoT機器でのノイズ対策や電源管理、ウェアラブル・ヘルスケア機器での省電力化など、具体的な活用法を解説。汎用ICやマイコン、FPGAだけでは対応しにくい課題に対して、ASIC化によって実装面積や消費電力、信号品質を最適化するポイントも紹介しています。

セキュリティ向けASIC導入事例

セキュリティ機能を1チップに集約するASICは、省電力性や耐タンパ性で汎用ICにはない強みを持っています。認証デバイス・暗号処理・工場ネットワーク防御の3領域から具体的な採用事例を取り上げ、初めてASIC導入を検討するアナログ回路設計者が知っておきたい視点を整理しました。

宇宙分野のASIC導入事例

宇宙空間の放射線や温度変動に耐えるASICには、アナログ・デジタル混載やDICE型FFなど高度な設計技術が求められます。A4基板を名刺サイズに縮小した集積化事例を含め、産業機器のアナログ回路設計者がカスタムASICを初めて外注する際に押さえたいパートナー選定の判断基準を整理しました。

目的別
ASICメーカー3選

用途に特化した高性能な半導体を実現するための要であるASICは、メーカーによって得意とする領域や対応の柔軟性、設計支援体制に大きな差があります。

ここではASICの導入や開発を検討している企業担当者に向けて、信頼できるASICメーカー3社を厳選。それぞれの特徴や得意分野をわかりやすく紹介します。

汎用アナログ信号
への対応力なら
ジェピコ・セミコンダクター
ジェピコ・セミコンダクター公式HP
引用元:ジェピコ・セミコンダクター公式HP
https://www.jepico-semiconductor.co.jp/
対応可能なプロセスノード

500nm/350nm/250nm/180nm

ASIC開発実績

OA機器/産業機器/住宅関連機器/車載/EOL相当品開発

など
おすすめの理由
  • 信号処理で多数の開発実績あり※1。無電源環境下で動作する低電力のミックスドシグナルIC等、難易度の高い仕様も、自社製品に合わせて実現しやすい
  • ファブレスメーカーとして、ウェハ製造~IC量産出荷まで一貫した品質保証が可能。デリバリ面でも安定した供給体制を構築している。
画像やAI処理などの
先端SoCへの対応力なら
ソシオネクスト
ソシオネクスト公式HP
引用元:ソシオネクスト公式HP
https://www.socionext.com/jp/
対応可能なプロセスノード

90nm/65nm/55nm/40nm/28nm/16nm/12nm/7nm/5nm

ASIC開発実績

TV/LPWA/衛星通信/スマートセンサー

など
おすすめの理由
  • RF通信向けソリューションの実績あり。低消費電力RF設計技術を活かし、カスタムSoCの省電力化を提案。
  • AI処理に対応したSoCを設計。Google Quantum AIと量子制御チップを共同開発※2するなど、先端領域への技術展開を強化。
光通信ネットワーク
への対応力なら
メガチップス
メガチップス公式HP
引用元:メガチップス公式HP
https://www.megachips.co.jp/product/asics/
対応可能なプロセスノード

TSMC:28nm/16nm FFC/5nm/7nm(計画中)
GF:22nm FDSOI/12nm(計画中)

ASIC開発実績

PON向け高速シリアルインターフェース(SerDes)

など
おすすめの理由
  • PON向けバーストモードCDR/SerDes技術で15年以上の開発実績※3(2025年8月調査時点)を有し、上り信号を安定化
  • 5G RU FPGAからASICへの変換により、システム性能を損なうことなく消費電力を最大55%削減※4し、低コスト化を実現

※1参照元:ジェピコ・セミコンダクター公式HP(https://www.jepico-semiconductor.co.jp/)
※2参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/02214/)
※3参照元:メガチップス公式HP(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)
※4参照元:メガチップス(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)

目的別おすすめ
ASICメーカー3選