産業機器・FAのASIC導入事例

産業機器やFA分野において、ASICの導入は、装置の高性能化、小型化、長期安定供給を実現するための鍵となります。

特に、過酷な環境下での高精度なセンサー制御や、高速なモーター駆動、部品の生産終了対策など、汎用ICでは解決困難な課題に対して非常に有効です。本ページでは、産業分野における具体的な開発事例をまとめました。

産業機器向け:センサー信号処理IC

微小なアナログ信号を高精度にデジタル化し、複数の周辺回路を統合することでシステムの最適化を実現した事例です。

参照元:ジェピコ公式HP アナログASIC開発事例(https://www.jepico.co.jp/analog-asic/development_case.html)

FA機器・産業用コントローラ向け:高速制御LSI

FPGAでプロトタイプ開発された複雑なロジック回路をASIC化し、量産コストの削減と性能向上を図った事例です。

参照元:三菱電機エンジニアリング公式HP ASIC開発サービス 事例(https://www.mee.co.jp/sales/electronics/case/lsi2.html)

産業機器にASIC開発が必要とされる理由

なぜ、多額の開発費を投じてまでASICを開発するのでしょうか。そこには、汎用品では到達できない明確な「付加価値」があります。

汎用IC・FPGAでは限界がある「小型化」と「省電力化」

産業現場では、センサーの多機能化やロボットの小型化に伴い、基板スペースの制約が極めて厳しくなっています。複数の汎用ICを1枚のASICに統合(SoC化)することで、実装面積を劇的に削減できます。また、不要な回路を削ぎ落とし、産業用途に最適化された設計を行うことで、FPGA比で圧倒的な低消費電力を実現可能です。

競合他社に対する技術的優位性の確保

汎用品を組み合わせた回路構成は、リバースエンジニアリングによる模倣のリスクを伴います。独自アルゴリズムをASIC内にハードウェアとして実装することで、回路の「ブラックボックス化」が可能になり、模倣困難な知的財産(IP)として技術優位性を守ることができます。

部品統合によるトータルコストの最適化

ASIC化により、基板上の抵抗、コンデンサ、周辺ICを統合できます。部品点数が減ることで、部品管理コストや組み立てコストが削減され、数万個単位の量産時には1個あたりのトータルコストを大幅に引き下げることが可能です。

導入検討のステップ

産業機器向けのASIC開発は、初期投資(NRE費用)を伴いますが、製品ライフサイクルが長い産業分野では、トータルコストや供給安定性の面で大きなメリットをもたらします。

  1. システム構成の最適化検討: 現行基板のどの機能を統合し、どの程度の性能向上が見込めるかを算出。
  2. 供給・保守計画の策定: 産業機器に必須となる、長期(10〜20年単位)の安定供給スキームの確認。
  3. 開発パートナーの選定: アナログ・デジタル混在技術や、高信頼性パッケージ、産業用温度範囲に対応可能な実績を持つ会社を選定。

「部品の製造中止(EOL)対策」として、既存の古いLSIを最新のプロセスで再設計する「リメイクASIC」といったアプローチも、産業機器分野では非常に有効な戦略の一つです。

目的別
ASICメーカー3選

用途に特化した高性能な半導体を実現するための要であるASICは、メーカーによって得意とする領域や対応の柔軟性、設計支援体制に大きな差があります。

ここではASICの導入や開発を検討している企業担当者に向けて、信頼できるASICメーカー3社を厳選。それぞれの特徴や得意分野をわかりやすく紹介します。

汎用アナログ信号
への対応力なら
ジェピコ
ジェピコ公式HP
引用元:ジェピコ公式HP
https://www.jepico.co.jp/analog-asic.html
対応可能なプロセスノード

500nm/350nm/250nm/180nm

ASIC開発実績

OA機器/産業機器/住宅関連機器/車載/EOL相当品開発

など
おすすめの理由
  • 信号処理で多数の開発実績あり※1。無電源環境下で動作する低電力のミックスドシグナルIC等、難易度の高い仕様にも応える設計力をもつ
  • ファブレスメーカーとして、ウェハ製造~IC量産出荷まで一貫した品質保証が可能。デリバリ面でも安定した供給体制を構築している。
画像やAI処理などの
先端SoCへの対応力なら
ソシオネクスト
ソシオネクスト公式HP
引用元:ソシオネクスト公式HP
https://www.socionext.com/jp/
対応可能なプロセスノード

90nm/65nm/55nm/40nm/28nm/16nm/12nm/7nm/5nm

ASIC開発実績

TV/LPWA/衛星通信/スマートセンサー

など
おすすめの理由
  • RF通信向けソリューションの実績あり。低消費電力RF設計技術を活かし、カスタムSoCの省電力化を提案。
  • AI処理に対応したSoCを設計。Google Quantum AIと量子制御チップを共同開発※2するなど、先端領域への技術展開を強化。
光通信ネットワーク
への対応力なら
メガチップス
メガチップス公式HP
引用元:メガチップス公式HP
https://www.megachips.co.jp/product/asics/
対応可能なプロセスノード

TSMC:28nm/16nm FFC/5nm/7nm(計画中)
GF:22nm FDSOI/12nm(計画中)

ASIC開発実績

PON向け高速シリアルインターフェース(SerDes)

など
おすすめの理由
  • PON向けバーストモードCDR/SerDes技術で15年以上の開発実績※3(2025年8月調査時点)を有し、上り信号を安定化
  • 5G RU FPGAからASICへの変換により、システム性能を損なうことなく消費電力を最大55%削減※4し、低コスト化を実現

※1参照元:ジェピコ公式HP(https://www.jepico.co.jp/analog-asic/development_case.html)
※2参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/02214/)
※3参照元:メガチップス公式HP(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)
※4参照元:メガチップス(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)

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