医療機器向けASIC導入事例

医療機器におけるASICの導入は、デバイスの超小型化、低消費電力化、そして高度な信号処理の実現に欠かせない要素です。

特に身体に装着・植え込むデバイスや、持ち運び可能な診断装置において、汎用部品では達成困難なスペックをASIC化によって実現しています。本ページでは、医療現場を支える開発事例を紹介します。

ヘルスケア・診断機器向け:ワイヤレス超音波プローブ用LSI

診断の自由度を制限していた「ケーブル」を排除し、装置のポータブル化と使い勝手の向上を実現した事例です。

参照元:株式会社D-Clue 公式HP 解決策・実績(https://d-clue.com/solution/asic/)

人工内耳用ミックスドシグナルIC

聴覚を補う人工内耳において、体内に植え込むインプラントの極小化と、長期間の安定稼働を両立させた事例です。

参照元:TDK公式HP Featured Stories(https://www.tdk.com/ja/featured_stories/entry_017.html)

医療機器開発においてASIC化が必要とされる背景

現代の医療現場では、デバイスの「病院から家庭へ」というシフトが加速しています。この変化が、半導体設計への要求を根本から変えています。

ウェアラブル・インプラント機器の普及と小型化要求

パッチ型の心電計や、体内に埋め込むペースメーカー、スマートコンタクトレンズなど、デバイスの小型化は患者の生活の質に直結します。機能を1チップに凝縮するASIC化は、劇的な省スペース化を実現する唯一の解となります。

生体信号の超低消費電力・高精度処理の限界

生体信号(心電、筋電、脳波など)は非常に微弱であり、ノイズの影響を受けやすいのが特徴です。また、常に身に着けるデバイスには数ヶ月〜数年のバッテリー寿命が求められます。汎用プロセッサでは電力効率が悪すぎるため、特定のアルゴリズムをハードウェア化して極限まで消費電力を抑えるアプローチが不可欠です。

汎用部品の生産終了リスクへの対策

医療機器は一度承認を受けると、設計変更には多大な再認証コストがかかります。しかし、一般的な電子部品は数年で生産終了になることが珍しくありません。ASICであれば、自社でIPを管理し、製造ラインを確保することで、10年、15年という長期にわたる安定供給をコントロールしやすくなります。

医療用ASIC開発検討のポイント

医療機器向けのASIC開発では、一般的な産業機器よりもさらに厳格な品質管理と、長期供給体制が求められます。

  1. 低消費電力・低発熱の追求: 体内や皮膚に接触して使用するため、発熱を抑える低電圧駆動設計が不可欠です。
  2. アナログ・デジタル混在技術: 生体からの微弱な信号を正確に捉える高精度なアナログ回路と、それを処理するデジタル回路の統合が鍵となります。
  3. 法規制と信頼性試験: 医療機器規格(IEC 60601-1等)に準拠するためのトレーサビリティや、過酷な環境下での動作保証が必要。

医療用ASICは開発難易度が高い一方で、製品の「唯一無二の価値」を生み出します。まずは、現行の個別部品構成をどこまで集約できるか、シミュレーションから検討を開始することをお勧めします。

目的別
ASICメーカー3選

用途に特化した高性能な半導体を実現するための要であるASICは、メーカーによって得意とする領域や対応の柔軟性、設計支援体制に大きな差があります。

ここではASICの導入や開発を検討している企業担当者に向けて、信頼できるASICメーカー3社を厳選。それぞれの特徴や得意分野をわかりやすく紹介します。

汎用アナログ信号
への対応力なら
ジェピコ
ジェピコ公式HP
引用元:ジェピコ公式HP
https://www.jepico.co.jp/analog-asic.html
対応可能なプロセスノード

500nm/350nm/250nm/180nm

ASIC開発実績

OA機器/産業機器/住宅関連機器/車載/EOL相当品開発

など
おすすめの理由
  • 信号処理で多数の開発実績あり※1。無電源環境下で動作する低電力のミックスドシグナルIC等、難易度の高い仕様にも応える設計力をもつ
  • ファブレスメーカーとして、ウェハ製造~IC量産出荷まで一貫した品質保証が可能。デリバリ面でも安定した供給体制を構築している。
画像やAI処理などの
先端SoCへの対応力なら
ソシオネクスト
ソシオネクスト公式HP
引用元:ソシオネクスト公式HP
https://www.socionext.com/jp/
対応可能なプロセスノード

90nm/65nm/55nm/40nm/28nm/16nm/12nm/7nm/5nm

ASIC開発実績

TV/LPWA/衛星通信/スマートセンサー

など
おすすめの理由
  • RF通信向けソリューションの実績あり。低消費電力RF設計技術を活かし、カスタムSoCの省電力化を提案。
  • AI処理に対応したSoCを設計。Google Quantum AIと量子制御チップを共同開発※2するなど、先端領域への技術展開を強化。
光通信ネットワーク
への対応力なら
メガチップス
メガチップス公式HP
引用元:メガチップス公式HP
https://www.megachips.co.jp/product/asics/
対応可能なプロセスノード

TSMC:28nm/16nm FFC/5nm/7nm(計画中)
GF:22nm FDSOI/12nm(計画中)

ASIC開発実績

PON向け高速シリアルインターフェース(SerDes)

など
おすすめの理由
  • PON向けバーストモードCDR/SerDes技術で15年以上の開発実績※3(2025年8月調査時点)を有し、上り信号を安定化
  • 5G RU FPGAからASICへの変換により、システム性能を損なうことなく消費電力を最大55%削減※4し、低コスト化を実現

※1参照元:ジェピコ公式HP(https://www.jepico.co.jp/analog-asic/development_case.html)
※2参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/02214/)
※3参照元:メガチップス公式HP(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)
※4参照元:メガチップス(https://www.megachips.co.jp/product/asics/solution/optical-com/)

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